トリミングの手間が少なく、いつも清潔でスッキリとかわいい! そんな理由から、毛が短い犬種を選ぶ飼い主さんが増えています。
ひとくちに「毛が短い犬」といっても、体の大きさは超小型犬から大型犬までさまざま。性格や抜け毛の量にも大きな違いがあります。「お手入れが楽そう」というイメージだけで迎えると、換毛期の抜け毛の多さに驚いたり、皮膚のケアに意外と手がかかったりすることも少なくありません。
この記事では、毛が短い犬種を小型・中型・大型犬に分けて20種類ご紹介します。それぞれの性格や特徴、お手入れのポイントまで詳しく解説するので、これから犬をお迎えしたい方や、飼い始めたばかりで自分の犬種のケア方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。犬種選びで失敗しないためにも、見た目のかわいさだけでなく、性格や被毛のタイプまでしっかりチェックしておきましょう。
【毛が短い犬種の特徴】短毛犬種のメリット・デメリット

毛が短い犬を迎える前に、知っておきたいメリット・デメリットを解説します。「お手入れが楽そう」というイメージだけで選ぶと、意外な落とし穴に気づくこともあります。
短毛犬種の3つのメリット
毛が短い犬には、主に3つのメリットがあります。
まず、毛玉ができにくくブラッシングも軽めで済むこと。毛が伸び続けるタイプの犬種が少ないため、トリミング自体が不要な犬種も多く、初心者の飼い主さんでも扱いやすいでしょう。
次に、被毛が短いぶん散歩中に葉っぱやゴミが絡みにくく、汚れの拭き取りもラクなこと。ニオイがこもりにくいのも嬉しいポイントです。
そして、被毛に隠れる部分が少ないため、湿疹やかぶれ、ケガなどの皮膚トラブルに早く気づけることも大きなメリットといえます。特にこれからワンちゃんを迎える初心者の方にとっては、日々のお手入れのハードルが低いことは心強いポイントでしょう。
意外と知らない、短毛犬種のデメリット
一方で、見落とされがちなデメリットもあります。硬く短い毛は衣類やソファ、カーペットなどの布製品に刺さり込みやすく、粘着ローラーで表面を撫でるだけでは取りきれないことも珍しくありません。
また、被毛による保護が薄いぶん、皮膚が乾燥や摩擦、寒暖差の影響を受けやすい犬種もいます。
特に冬場の防寒対策や、皮膚に優しいシャンプー剤選びには注意が必要です。
そして何より、「毛が短い=抜け毛が少ない」とは限らない点も見落とされがちなポイント。詳しくは次で解説します。
「短毛=抜け毛が少ない」は誤解? シングルコートとダブルコートの違い
抜け毛の量を左右するのは毛の長さではなく被毛の「構造」です。
犬の被毛は「シングルコート」と「ダブルコート」の2タイプに分けられます。シングルコートはオーバーコート(上毛)のみ、またはオーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)のどちらか一方だけが発達したタイプ、ダブルコートはオーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)が2層構造になっているタイプです。
シングルコートは明確な換毛期がなく、1年を通して少しずつ毛が生え変わるため抜け毛は比較的少なめ(イタリアングレーハウンドやドーベルマン、グレートデーンなど)。一方、柴犬やラブラドールレトリーバー、フレンチブルドッグのように短毛でもダブルコートの犬種は、アンダーコート(下毛)が体温調節の役割を担っているため、春と秋の換毛期に大量の毛が抜け替わります。毛の長さだけで判断せず、被毛の構造もあわせてチェックしておくと安心です。
毛が短い小型犬8選
まずは、毛が短い小型犬を8犬種ご紹介します。
チワワ(スムースコート)

世界最小クラスの犬種として知られるチワワ。飼い主に忠実で愛情深い一方、好奇心旺盛で警戒心も強く、堂々とした態度を見せることもあります。ツヤのある滑らかな短毛で比較的お手入れは楽ですが、季節による抜け毛はあるため、週1~2回程度の定期的なブラッシングを心がけましょう。
ミニチュアダックスフンド(スムースヘアード)

胴長短足のユニークな体型と、陽気で感情表現豊かな性格が魅力。人懐っこく甘えん坊な一面もあり、初めて犬を飼う方にも親しみやすい犬種です。短くツヤのある被毛は絡まりにくいですが、抜け毛はやや多めなので、週1〜2回を目安に定期的なブラッシングを心がけましょう。
ミニチュアピンシャー

小さな体に似合わず活発で遊び好き、物怖じしない自信家な性格が特徴です。下毛のないシングルコートですが、毛の生え変わる周期が短く、実は抜け毛が出やすい犬種。週1回程度を目安にブラッシングをしてあげましょう。
イタリアングレーハウンド

しなやかな体つきと、うっすら光沢のある短毛が上品な印象の犬種。穏やかで家族思いですが、繊細でやや人見知りな面もあります。
抜け毛は少なめですが、皮膚が薄く敏感なので、週1〜2回はラバーブラシなどでやさしくブラッシングを。普段の汚れは湿らせたタオルで拭く程度で十分ですが、寒さに弱いので冬場は服を着せるなど防寒対策を忘れずに。
ボストンテリア

白黒のタキシード柄と立ち耳がトレードマークで、賢く従順、トレーニングもしやすい犬種です。短毛でトリミングは不要ですが、ダブルコートのため抜け毛はやや多め。週2〜3回を目安にブラッシングをしてあげましょう。また短頭種のため口周りのシワに汚れが溜まりやすいので、食後はこまめに拭き取ってあげてください。
パグ

くしゃっとした顔のシワと愛嬌たっぷりの表情で人気の犬種。ひょうきんで人懐っこく、他人や他の犬ともフレンドリーに接します。顔のシワは汚れが溜まりやすいため毎日の拭き取りが必須。ダブルコートのため抜け毛が多く、できれば毎日、少なくとも週2〜3回はブラッシングを習慣にしましょう。
ジャックラッセルテリア(スムース)

キツネ狩りで活躍していた歴史を持ち、勇敢でパワフル、好奇心旺盛な性格です。人懐っこく甘えん坊な一面も。スムースコートは毛周期が短く、抜け毛が多いのが特徴。硬い毛がカーペットや衣類に刺さりやすいため、できれば毎日、少なくとも週2〜3回はブラッシングを行い、健康チェックも兼ねて習慣にしましょう。
バセンジー

「吠えない犬」として知られる、賢く警戒心の強い犬種。飼い主には深い愛情を示しますが、他の犬とはやや馴染みにくい一面もあります。柔らかい短毛のシングルコートで抜け毛は比較的少なめ。週1〜2回を目安に、ラバーブラシでのブラッシングを習慣にしましょう。
毛が短い中型犬6選
続いて、毛が短い中型犬を6犬種見ていきましょう。
柴犬

日本を代表する犬種で、賢く独立心が強いのが特徴。家族には深い愛情を見せる一方、見知らぬ人や犬には警戒心を示すこともあります。短毛のダブルコートで、春と秋の換毛期には大量の毛が抜けるため、この時期はできれば毎日、それ以外は週2〜3回のブラッシングを心がけましょう。
フレンチブルドッグ

大きなコウモリ耳とおっとりした性格が魅力の人気犬種。警戒心はそれほど強くなく、穏やかに過ごせるタイプが多いです。ダブルコートのため換毛期には抜け毛が増えるので、週1〜2回を目安にブラッシングをしてあげましょう。短頭種なので、顔のシワの汚れケアも忘れずに。
ビーグル

小柄ながらタフでスタミナがあり、毎日の散歩を欠かさず必要とする活発な犬種です。短毛ですがダブルコートのため、実は抜け毛は多め。毛周期が短く、硬い毛がカーペットや衣類に刺さりやすいのも特徴です。週2〜3回を目安に、換毛期はできれば毎日ブラッシングを行いましょう。
ウィペット

流線型のしなやかな体と穏やかで優しい性格が特徴。服従心が強く、過度に厳しいしつけは信頼関係を損ねてしまうこともあるため注意しましょう。シングルコートで毛玉になりにくく、週1回程度のブラッシングで十分ですが、毛周期が短いため抜け毛は意外と多め。寒さに極端に弱いため、防寒着などの季節対策が欠かせません。
バセットハウンド

垂れた長い耳と短足胴長の体型がユーモラスな犬種。穏やかでのんびり屋、甘えん坊な性格で、忠誠心も厚いのが魅力です。短毛ですがダブルコートのため抜け毛はやや多め。週2〜3回を目安にブラッシングをしつつ、顔や体のシワに汚れが溜まりやすいため、こまめな拭き取りも心がけましょう。
ブルドッグ

がっしりした体と深いシワが特徴の、温和で甘え上手な犬種。かつては闘犬として活躍していましたが、現在は穏やかな性格の個体がほとんどです。ダブルコートで抜け毛は多め。週2〜3回を目安にブラッシングをし、顔のシワは皮膚炎を防ぐためにも、こまめな拭き取りでケアしてあげましょう。
毛が短い大型犬6選
最後に、毛が短い大型犬を6犬種ご紹介します。
ラブラドールレトリーバー

知能が高く温厚で、人と一緒に働く意欲が強いことから、盲導犬などとしても活躍する犬種です。短毛ですがダブルコートのため抜け毛は非常に多く、通常時は週2〜3回、換毛期は毎日のブラッシングが理想。ラバーブラシで根元から毛を起こしてからとかすと効果的です。
ダルメシアン

白地に黒や茶の斑点模様がトレードマークで、体力と持久力に優れた活発な犬種。硬めでツヤのある被毛はシングルコートですが、抜け毛は多め。週2〜3回、ラバーブラシなどでのブラッシングと、蒸しタオルで体を拭くケアがオススメです。
ドーベルマン

利口で従順、トレーニング適性が高く、フレンドリーな一面も持つ犬種です。短毛種の中でも特に短くつややかな被毛が特徴で、シングルコートのため「抜け毛が少ない」と思われがちですが、実は毛の生え変わる周期が短く、抜け毛は意外と多いもの。週1回を目安に、ブラシで全身をマッサージするように整えてあげましょう。
ボクサー

忍耐強く勇敢で、忠誠心が高くしつけもしやすいことから、家庭犬として人気の犬種です。短く密生した被毛はお手入れがしやすい反面、皮膚がデリケートなためゴシゴシこすらず優しくケアするのがポイント。週1回程度のラバーブラシケアを目安にしましょう。
ワイマラナー

好奇心旺盛で無邪気、甘えん坊な一面もあわせ持つ知的な犬種。ほとんどの個体がスムースコート(短毛)で、お手入れの難易度は高くありません。ウェットティッシュやタオルでの拭き取りに加え、週1〜2回を目安にラバーブラシなどでブラッシングをしてあげましょう。
グレートデーン

その堂々とした体格から「犬種の中の巨人」とも呼ばれますが、性格は穏やかで従順、見た目から想像される以上に落ち着いた犬種です。短毛のシングルコートで抜け毛は少なめですが、春秋の換毛期は増えるため、この時期は毎日、通常は週1回程度のブラッシングを。体が大きいぶん、全身のケアには少し労力がかかることも覚えておきましょう。
【毛が短い犬のお手入れ方法】ブラッシング・シャンプーのコツ

ここからは、毛が短い犬に共通する日々のお手入れ方法を解説します。ブラッシングとシャンプー、それぞれのポイントを押さえておくことで、愛犬の毛並みと皮膚を健やかに保てます。
短毛犬のブラッシングの頻度と方法
短毛犬のブラッシング頻度は、犬種によって週1回程度で十分な場合もあれば、毛周期が短く抜け毛が多いタイプは週2〜3回、あるいは毎日が推奨される場合もあります。ダブルコートの犬種は、春秋の換毛期にはできるだけ毎日を目安にしましょう。まずはラバーブラシで抜け毛や汚れを取り除き、その後、獣毛ブラシやコームで毛並みを整えるとツヤが出ます。皮膚を優しくマッサージするように行うのがポイントですが、やりすぎは皮膚や被毛へのダメージにつながるため、様子を見ながら適度に行いましょう。
シャンプーの頻度と注意点
短毛種は被毛による保護が薄く、長毛種に比べて皮膚トラブルが起きやすい一面があります。頻度の目安は月1〜2回程度(犬種やサイズ、年齢によって異なります)。低刺激・保湿成分入りのシャンプー剤を選び、洗いすぎで必要な皮脂まで落としてしまわないよう注意してください。すすぎ残しがあると皮膚トラブルの原因になるため、しっかり洗い流すことも大切です。
抜け毛対策と室内の掃除方法
粘着ローラー(コロコロ)は、カーペットやソファ、衣類などの布製品についた毛取りに便利です。ただし、短くて硬い毛は繊維に刺さり込んでしまい、ローラーだけでは取りきれないこともあるため、ゴム手袋やペット用の布ブラシで撫でるようにして取り除くのも効果的です。
フローリングは化学モップやワイパーで大まかに毛を取り除いてから掃除機をかけると、取りこぼしが少なくなります。抜け毛は掃除機のブラシに絡まりやすいので、こまめな手入れも忘れずに。換毛期は特に掃除の頻度を上げると、室内を清潔に保ちやすくなります。
トリミングサロンでできるケアとは
短毛種はカット自体が不要なことが多いものの、シャンプーやブラッシングによる抜け毛・皮膚ケア、爪切り、耳掃除、肛門腺絞りなどはプロに任せると安心です。自宅では難しいケアや、嫌がって暴れてしまう場合も、月1回程度サロンを利用すれば無理なく続けられます。犬種やお悩みに応じて部分的なケアだけをお願いできるサロンも多いので、初めての方も気軽に相談してみましょう。プロに任せることで、愛犬にとっても飼い主にとってもストレスの少ないケアにつながります。
犬種の被毛タイプを知って、愛犬に合ったお手入れを
毛が短い犬は、お手入れが比較的楽な犬種が多いものの、シングルコートかダブルコートかによって抜け毛の量は大きく異なります。犬種ごとの被毛タイプや性格をきちんと理解したうえで、日々のブラッシングやシャンプーを続けることが、愛犬の健康と美しい毛並みを保つ秘訣です。 自宅でのお手入れに不安があるときや、抜け毛・皮膚トラブルが気になるときは、無理をせずトリミングサロンに相談してみましょう。プロの手を借りながら、今日からできるお手入れを少しずつ始めてみてくださいね。愛犬ごとの犬種の特徴を知り、それぞれに合った正しいケアを続けることが、健やかで美しい毛並みを長く保つ一番の近道です。
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